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伝統野菜サミットin金沢

金沢 【伝統野菜サミット― 伝統野菜が地球を救う! ―】
・2009年2月3日(火)
・金沢市「金沢歌劇座」にて開催

北陸・金沢を象徴する歴史ある冬の兼六園。
先進的な近代アートが集まる「21世紀美術館」。

金沢の歴史と現代を間近に感じるエリアに位置する「金沢歌劇座」にて行われた、今回の『伝統野菜サミット』。
北陸農政局が主催したこのイベントには、石川県のみならず、東京や九州といった地域からの来場者や地元メディアも集まり、 開始時刻間際には、会場はほぼ満席に近いほどとなっていました。

今回、私たちリーフプロジェクトも、「フード・マイレージ セミナー」の講師である中田哲也さんが 報告講演会をされるということで、金沢行きを決定。1日たっぷり、各地の伝統野菜のお話をうかがってきました。

今回、こちらの報告レポートでは、当日のプログラムに沿って、順にご紹介していきます。

【第一部】報告および講演

伝統野菜の普及が輸送に伴う環境負荷低減に及ぼす効果測定の試み‐フードマイレージ指標を用いて‐
報告:中田哲也氏(北陸農政局企画調整室長/元・農林水産政策研究所)


まず最初に、前方に映し出されたスライドは、石川・富山・福井・新潟全域の地図。 ひとつひとつ文字を確認するには数が多すぎてしまうほど、 そこには各県で育てられている(あるいは、育てられていた) 地元野菜の名前が並んでいる地図が広げられました。 中でも、ここ開催地である石川県は、「加賀野菜」「能登野菜」と呼ばれる伝統野菜が、石川の食文化を支えてきた土地。
実は、平成19年、伝統野菜再調査を行ったところ、従来把握していたよりも、数多くの伝統野菜を確認。 驚くと同時に、実は、石川・富山・福井県の北陸3県は、米を除く食料自給率はわずか22%という現実も併せ持つ中、 「もっと地元の方に、伝統野菜を知ってもらおう!愛してもらおう!」と、今回のこのようなサミット開催へと繋がっていったそうです。

講演の中では、
『フードマイレージの基本的な考え方』
・食料の輸送量×輸送距離=フードマイレージ
・単位は「トン・キロメートル」
・食料の輸入が地球環境に与える負荷を把握できるツールである
※フードマイレージが高ければ高いほど、環境に負荷を与えていることになります。

『日本のフードマイレージの実態』
日本のフードマイレージは、世界第1位!
CO2排出量は、一人当たり年間130kg!
※いかに多くの食料を、長い距離をかけて持ってきているか…、という結果です。

『伝統野菜の普及が輸送に伴う環境負荷を低減』
単純に「輸送距離が短くなるだけで、フードマイレージは低くなる」という事例を、 地元の野菜ソムリエ・つぐまたかこさん考案の和食膳で実証。
(1)加賀野菜など地元産食材を使用した場合(=地産地消)
(2)市場で国産食材を選んで調達した場合(=国産のみ)
(3)市場で輸入食材も含め調達した場合(=輸入品含む)
※実際のフードマイレージの試算方法も交え、その結果を報告。 地元野菜で作った際には、ほとんどフードマイレージがない…という結果に。

その他、昭和35年頃と現在での私たち日本人の食生活の変化や、 「肉」と「油脂」の摂取増に伴う、地球規模の環境負荷の検証、 家畜を育てるために必要な膨大な「水の量」について考える 「仮想投入水(バーチャルウォーター)の話題も紹介。 改めて、私たち日本人が地球規模で環境に負荷を与える食生活を行っていることを考える講義内容ともなりました。

フード・マイレージ指標を素材とした総合学習等の取組み
講演:近藤惠津子氏(NPO法人コミュニティ・スクールまちデザイン理事長)


「食農共育」をテーマに、小中学校の総合学習の時間に授業を行っている、近藤さん。 身近な暮らしと地球環境が繋がっていること、そしてそこで見えた問題解決のために、 毎日の生活で小さな一歩を踏み出していけるよう…、地域の方とともに手を取り活動を行っていらっしゃる方です。

近藤さん達の授業の特徴は、子供たちに「気付いてもらう」、まずはそこから始め、自ら考えを広げていける時間を作ること。 最後には、子供たちに「社会性」まで考えた行動ができるよう、オリジナルプログラムを作成し、授業を重ねています。

今回の講演でも、実際に子供たちに行っているクイズを紹介。
近藤さんが出題する三択問題に、私たちも「グー」「チョキ」「パー」で回答。
「世界で、一番生産量の多い植物性油脂は、次のうちどれ?」
「はい、答えはグーのパーム油です」
といったように出題・回答しながら、
「実は、パーム油の多くはインドネシアなどのプランテーションで作られているもの。 そこには、熱帯雨林の伐採や低賃金や過酷労働といった問題もあるんです。 私たちは、日本から遠く離れた国を、もっと想わなければいけませんね」と、 地球規模での食・環境についての問題解説をしてくださいました。

その他、「海外の日本向け作物のための農地は、日本の農地面積の2.7倍」! 「100グラムの牛肉ステーキに隠れたバーチャルウォーターは、1リットの紙パック2000本分!」 など、大人もビックリな数字に、 会場にも驚きの声や溜息が出る中、近藤さんのお話は進んでいきました。

また、最後には、実際に学校訪問を出てくる中で、子どもたちに、 「じゃあ、どんなことをしたら、地球に優しい食が作れるのか?」と アイデアを大募集した際のお話を紹介。 「国民皆農!」「農業員制度を!」「1家庭1作物作りの法律を作る!」 「小学校の教科書に、『農業』を作る!」「農家にボーナス!」 「冷蔵庫の扉を透明にする!」など、紹介してくださった 子供たちのユニークなアイデアには、思わず驚いてしまったほどです。

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