年間を通して見かける「タマネギ」。
カレーを代表として、煮込み料理には欠かせない存在ですが
なかなかメインになることは無く、ちょっぴり脇役の存在ですね。
今月は、知っているようで知らない「タマネギ」の詳しいお話をします!
今の季節「新タマネギ(春タマネギ)」と「普通のタマネギ」の2種類を見かけますが違いをご存知ですか?
通常のタマネギは、春にまいたものを秋に、秋にまいたものを初夏に収穫します。
それを収穫後約1ヶ月間、日陰で風をあてて乾燥させます。
そのおかげで貯蔵が効き、また表面の皮が茶色く枯れているのです。
新タマネギの場合は、秋にまいたものを春に早どりしたものがそのまま店頭に並びます。
特徴は、辛味が少なく、みずみずしさと柔らかさがあり、表面の皮は白っぽいか、少し茶色かかったくらいです。
良く経験するのが「たまねぎをきざんでいる時に涙がでる!」こと。
これは「硫化アリル」という硫黄を含んだ成分が原因です。
でもこの「硫化アリル」こそが、私たちにとって有難い効果があるのです。
=効果=
○食欲増進や鎮静の作用をもっている
○ビタミンB1の吸収を助けて疲労を回復
*ビタミンB1を多く含む、豚肉などと一緒に調理するといい
*スタミナをつけたい時には、生のままスライスして食べる
新タマネギは普通のタマネギより甘く、硫化アリルは少ない。
(だからツンと来ないのです!)
=性質=
×熱に弱く、水に溶ける
*最も効果的に摂りたいのなら水にさらさず、生で食べるとよい
玉ねぎは少々黄色味かかっていますが、これが「ケルセチン」という成分です。
たまねぎ100g中に約35mg程度含まれています。
=効果=
○ガンを発生させる変異原性物質のはたらきをおさえる
○ガンや動脈硬化などの原因となる活性酸素から体を守る強い抗酸化作用
○しみ、そばかす、皮膚ガンの原因となる紫外線から肌を守る
◎花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーの原因となる物質ができるのを抑える
=性質=
○熱に強い
*煮込み調理やスープなど
例えばカレー、ビーフシチュー、ポトフやオニオングラタンスープ、ポタージュスープなどにする
上記二つの成分の観点から、玉ねぎを上手に取り入れる方法は・・・
「疲れを取りたいならば生!アレルギーから身を守るなら加熱してたくさん食べる!」
と覚えていただくと良いでしょうね!
実はかなり万能な玉ねぎのことをご理解いただけましたでしょうか? 上手く食卓に取り入れたいものですが、新玉ねぎはやがて旬が終わります。 今のうちにたくさん食べて、夏に負けない体つくりに役立てましょう!
文 : ベジタブル&フルーツマイスター 山内美穂